独立・起業を考えている人は、年々増えています。増加の理由は、コロナを経て在宅で働くことに対する関心が増えたことはもちろん、独立・起業にかかる手続きは意外と簡単なこと、経済の発展を目的とした国からの支援があることが独立・起業を後押ししているからと考えられています。
「独立・起業したいな…」と思ったら、まず最初にすべきことはたった一つです。
今日はそのたった一つの大切なことについて書いていきます。
最初にすべきなのは『自分を見つめること』
「いい年して恥ずかしい…」と思うかもしれませんが『自分には何ができて、どうしたいのか?』を考えるのはとても大事なことです。以下の4点がその理由に挙げられます。
- モチベーションの維持 … 継続していく力の源に!
- 方向性の確立 … 具体的な計画が立てられる!
- 失敗を未然に防ぐ … NGをわかっているから失敗しない!
- パーソナルブランディング … 自己の認識がしっかりすると信頼感が増す!
ざっくりいうとこんな感じなのですが、丁寧に解説していきます。
モチベーションの維持
独立や起業は実は手続きだけならすぐできてしまいます。しかし、形式上の立ち上げですべてが終わるわけではなく、立ち上げた仕事を継続していく必要があります。順風満帆に行けばよいのですが、問題が発生して途中で挫折することもあるでしょう。そんな時に、自分がなぜ独立・起業したのか?を明確に理解していれば、困難に直面した際にも自分の目標やモチベーションを思い出し、前進する力となります。家庭や子育て、介護など、家族や身近な人たちのためだったり、自分の仕事のスケジュールやスタイルの自由さに魅力を感じてだったり、自分の信念や価値観、成果やリターンへの期待に基づいて思い立ったり…、どの理由も不正解ではありません。
どのような理由でも、独立後に「これのために始めたのだから…!」と思える理由が明確なことは自身の心の支えになってくれるはずです。
方向性の確立
自分の独立・起業理由を正しく把握していれば、それに向かって具体的な行動計画を立てることができます。方向性が明確であれば、目標達成に向けて効果的なステップを踏むことができます。先ほどの家庭のために起業する例で言えば「〇〇時には家に帰れるようにしよう」「そのためにはどのようにすべきか?」と進路立てて考えていくことができるのです。
反対に、仕事が忙しくなりすぎたときに予定の時間に帰宅できなくなってしまったら、どんなに独立や起業がうまく行っていても本来の理由からはそれてしまっている、と気が付くことができます。
失敗を未然に防ぐ
目標や理由を正しく理解せずに事業を始めた場合、思っていたビジネススタイルにならない可能性があります。たとえば先ほどの家庭のために起業した人であれば、予定の帰宅時間を超える選択肢を取ってしまうことは失敗にあたります。自分の独立・起業の理由や目的がはっきりすることで、やるべきこともはっきりします。この場合も「忙しくても時間延長ではなく、人員増加だな!」などの正しい判断ができるようになるのです。
独立・起業の理由をしっかり自覚して行動することは、確かな成功への道筋なのです。
パーソナルブランディング
ブランディング、というと大げさに聞こえるかもしれませんが、要するに自身の基盤や発想がはっきりしているということです。自分がなぜ独立や起業を選んだのかを明確に理解し、それを他人に伝えることができれば、意志のはっきりした印象を与えることができます。理由があいまいで自分の中でもまとまっていないと、自分だけでなく事業に関しても不安を感じられてしまいます。
自らのストーリーを持ち、それを通じて他人との共感や信頼関係を築くことは大きな会社(ブランド)だけでなく、個々人にとってもとても大切なことです。
5W1Hを使って、できること・やりたいことを定める
ここでは考えをまとめやすいように、5W1Hを例にして説明しますが、自分自身と独立・起業に関して考えるのは一筋縄ではいきません。何日もかけて考えていくことになるので、慌てず丁寧に定めていきましょう。
独立・起業をふんわりと思い描くようになったばかりの方は、下記のwhat、why、who、whyまでをまずやってみましょう。whereとwhenはマーケットリサーチや資金調達を始めるころで大丈夫です。
What 独立・起業する目的や目標はなにか?
おそらく、独立・起業を考え始めた方は、すでにその理由があるはずです。何を達成したいのか、何を願っているのか、「これのために!」を自覚して、事業の核(目的)にしましょう。事業の核は心臓のようなもの。たくさんの目的や理由があっても、1つに絞っておきましょう。
Why なぜ独立・起業するのか?
「本当にそれは、独立・起業しないと達成できないのか?」を明確にしましょう。独立・起業は簡単ですが継続・維持していくには大変な苦労が発生します。同様に、責任も全て自分自身にのしかかります。被雇用者では達成できないことが独立・起業で本当に達成できるのか、その根本的な理由を考えましょう。
Who なぜ自分なのか?
『他の人ではなく、なぜ自分でなくてはいけないのか?』そういった事業の個性や発起の理由を明確にしましょう。自分の経験や能力、興味関心を考慮してなぜ自分が独立・起業したいのかを考えます。この経験や能力には社会人としてだけでなく、プライベートでの趣味や活動でのスキルも当てはまります。登山やキャンプなどアウトドアが好き+仕事では小売業…などスキルを足し算して、自分ならではのオリジナリティを見つけ出しましょう。
How どのような事業にするのか?
ここが一番大切な部分になります。what、why、whoで考えた内容をまとめて、できること・自分しかできないことが事業になります。不適切な事業モデルで始めてしまうと、求めていた目的や願いを達成できない可能性があるので、何度も練り直してブラッシュアップしていきましょう。
Where どこで独立・起業するか?
独立・起業する場所を考えることも大事です。ただ、事業内容が定まっていない状態で場所を決めるのは大変難しいことです。なぜなら独立・起業すべき場所は、事業内容やターゲット市場、競合他社の存在など、様々な要因によって影響を受けるからです。今はざっくりと決定しておき、事業内容が確定してから場所を選定していく程度で大丈夫です。
When いつ独立・起業するか?
独立・起業の時期は『すべての準備が整った時』です。必要なスキルや知識、資格が身についているタイミング、経済的な余裕や家族のサポートが万全なタイミングを見計らって、開業する日を決定します。事業によっては需要が高まっていたり、新たなニーズが生まれている時期があり、そういったタイミングも考慮に入れましょう。
(かき氷屋さんなら冬ではなく夏!というような話ですね)
理由・目的・理想が定まったら独立・起業のスタートライン
上記のステップで「やっぱり独立・起業したい!」と思えたのなら、もうスタートラインに立っています。『自分を見つめること』ができたので、ぶれない芯を持つことができ、フワっとした気持ちでいたころよりも成功に近づけています。もし自分ひとりで考えてもうまくいかない時は、身の回りの人や行政の力を借りて足場作りをしてみるのも一つの手です。
2023年11月に発表された日本政策金融公庫による「2023年度新規開業実態調査」では、事業を始めたことに対して「かなり満足」が26.3%、「やや満足」が47.0%にも上り、独立・起業した人の約7割が独立・起業してよかったと思っていることがうかがえます。
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